疑義解釈(医科:令和元年8月19日,令和元年8月26日)
1 令和元年8月19日付け事務連絡
厚生労働省の、令和元年度診療報酬改定についてと題するウェブページの事務連絡の欄に公開されている疑義解釈です。
令和元年8月19日付けの、「疑義解釈資料の送付について(その1)」と題する事務連絡となります。事務連絡は、保険診療の運用事項に関する厚生労働省の解釈を示すもので、実務的に重要なものです。保険請求は、算定のルールに則って行うことが求められます。コンタクトレンズの不正請求での取消の事例では、コンタクトレンズ検査料2で請求すべきであるのに個々の検査料を出来高で請求していたとして、不正請求と判断されています。
医科診療報酬点数表関係
問1
消費税率の引上げに伴い、既に入院している患者に対しての差額室料やおむつ代の同意書の取扱いについて、「疑義解釈資料の送付について(その2)」(平成26年4月4日付け事務連絡)別添1の問54と同様か。
(答)
そのとおり。徴収額に変更がある場合は、改めて同意書を取り直す必要がある。なお、選定療養に係る届出等、各厚生局に届け出ている額について、変更がある場合は、改めて届出を行う必要がある(同事務連絡の別添1の問 55参照。)。
2 令和元年8月26日付け事務連絡
続いて、近畿厚生局の、平成30年度診療報酬改定に係る通知等についてと題するウェブページの疑義解釈資料の欄に公開されている医科の疑義解釈です。
令和元年8月26日付けの、「疑義解釈資料の送付について(その 16)」と題する事務連絡となります。こちらも、先ほどと同様、医科の事務連絡となります。
事務連絡は、以下に限らず、歯科や薬科などもありますので、医師だけではなく、例えば、情報提供などで突然に個別指導(歯科)となった歯科医師で、歯科の保険診療のルールについて最新の動向を知りたい歯科医師の方も、事務連絡を確認することが有用です。もっとも、事務連絡の疑義解釈を確認する前提として、厚生労働省の保険診療確認事項リスト(歯科)を熟読することが先決かもしれません。
医科診療報酬点数表関係
【FoundationOneⓇ CDx がんゲノムプロファイル、OncoGuideTM NCC オンコパネルシステム】
問1
令和元年6月1日付けで保険適用された FoundationOneⓇ CDx がんゲノムプロファイル及び OncoGuideTM NCC オンコパネルシステムについて、同年5月31日付け改正留意事項通知において、「エキスパートパネルの実施に係る費用は準用した点数に含まれる。」とあるが、患者がある保険医療機関を受診しパネル検査を実施し、別の保険医療機関でエキスパートパネルを実施した場合は、当該エキスパートパネルに係る費用はどのように算定するのか。
(答)
パネル検査に係る一連の診療報酬は、パネル検査を実施した保険医療機関において算定できる。このうち、別の保険医療機関におけるエキスパートパネルに係る費用については、パネル検査を実施した医療機関とエキスパートパネルを実施した医療機関における相互の合議に委ねる。
問2
令和元年6月1日付けで保険適用された FoundationOneⓇ CDx がんゲノムプロファイル及び OncoGuideTM NCC オンコパネルシステムについて、同年5月31日付け改正留意事項通知において、「C-CATへのデータの提出の同意を得た患者について検討する際には、C-CATが作成した当該患者に係る調査結果を用いてエキスパートパネルを実施すること。」とあるが、C-CATへのデータの提出に同意しなかった患者に対してエキスパートパネルを行った際にはC-CATが作成した当該患者に係る調査結果を用いることができないが、その場合でも、パネル検査の検査結果の医学的な検討・治療方針等の患者への説明の際の診療報酬の点数を算定できるのか。
(答)
算定できる。
問3
令和元年6月1日付けで保険適用された FoundationOneⓇ CDx がんゲノムプロファイル及び OncoGuideTM NCC オンコパネルシステムについて、解析が不能のためプロファイル取得ができなかった場合、再検査に係る費用は算定できるのか。
(答)
算定できない。
問4
令和元年6月1日付けで保険適用された FoundationOneⓇ CDx がんゲノムプロファイル及び OncoGuideTM NCC オンコパネルシステムについて、同年5月31日付け改正留意事項通知において、「包括的なゲノムプロファイルの結果について、当該検査結果を医学的に解釈するための多職種(がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝カウンセリング技術を有する者等)による検討会(エキスパートパネル)での検討を経た上で患者に提供し、治療方針等について文書を用いて患者に説明する場合には、本区分の「3」処理が極めて複雑なものの所定点数4回分、区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「注」の「ロ」3項目以上及び区分番号「M001-4」粒子線治療(一連につき)の「注3」の粒子線治療医学管理加算の所定点数を合算したものを準用して、患者1人につき1回に限り算定できる。」とあるが、
(1)やむを得ない事情で患者に説明できなかった場合は、当該点数は算定できるのか。
(2)患者に対する説明について代理人に説明しても算定可能か。
(答)
(1)説明できなかった場合は当該点数を算定できない。
(2)患者本人が受診困難な場合など、やむを得ない場合には患者本人の同意を得た上で代理人に説明することで算定できる。ただし、当該患者が説明時点で死亡している場合は、検査結果を治療方針の決定の補助に用いられないため、算定できない。
問5
令和元年6月1日付けで保険適用された FoundationOneⓇ CDx がんゲノムプロファイル及び OncoGuideTM NCC オンコパネルシステムについて、患者の意思で検査が途中で中止となった場合、検査にかかる費用は患者に請求可能か。
(答)
「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」(平成17年9月1日保医発第0901002号)に該当する場合は請求可能である。
問6
令和元年6月1日付けで保険適用された FoundationOneⓇ CDx がんゲノムプロファイル及び OncoGuideTM NCC オンコパネルシステムについて、同年5月31日付け改正留意事項通知において、「本検査は、標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む。)であって、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した者に対して実施する場合に限り算定できる。」とあるが、
(1)標準治療の終了が見込まれる者とはどのような者をさすのか。
(2)「本検査施行後」とはいつのことか。
(答)
(1)医学的判断に基づき、主治医が標準治療の終了が見込まれると判断した者。
(2)検査結果を患者に提供し、結果について説明した後のことを指す。
本ページの厚生労働省保険局の疑義解釈は以上です。
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